第9部処置-第1節処置料(一般処置)-J038人工腎臓(1日につき)

1 慢性維持透析を行った場合
イ4時間未満の場合
2,075点
ロ4時間以上5時間未満の場合
2,235点
ハ5時間以上の場合
2,370点

2 その他の場合
1,580点

注1 入院中の患者以外の患者に対して、午後5時以降に開始した場合若しくは午後9時以降に終了した場合又は休日に行った場合は、所定点数に300点を加算する。

2 導入期1月に限り1日につき300点を加算する。

3 著しく人工腎臓が困難な障害者等に対して行った場合は、1日につき120点を加算する。

4 カニュレーション料を含むものとする。

5 区分番号C102に掲げる在宅自己腹膜灌流指導管理料又は区分番号C102-2に掲げる在宅血液透析指導管理料を算定している患者に対して行った場合には、週1回(在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定している患者にあっては、区分番号J042に掲げる腹膜灌流(1に限る。)の実施回数と併せて週1回)を限度として算定する。

6 1の場合にあっては、透析液、血液凝固阻止剤、生理食塩水及び別に厚生労働大臣が定める注射薬の費用は所定点数に含まれるものとする。

7 人工腎臓を夜間に開始し、午前0時以降に終了した場合は、1日として算定する。

8 区分番号J038-2に掲げる持続緩徐式血液濾過の実施回数と併せて1月に14回に限り算定する。ただし、別に厚生労働大臣が定める患者にあってはこの限りでない。

9 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行った場合には、透析液水質確保加算として、所定点数に10点を加算する。


(1) 人工腎臓には、血液透析のほか血液濾過、血液透析濾過が含まれる。

(2) 「2 その他の場合」は次の場合に算定する。
ア急性腎不全の患者に対して行った場合
イ透析導入期(1月に限る。)の患者に対して行った場合
ウ血液濾過又は血液透析濾過を行った場合
エ以下の合併症又は状態を有する患者((ニ)から(ヌ)については入院中の患者に限る。)に対して行った場合であって、連日人工腎臓を実施する場合や半減期の短い特別な抗凝固剤を使用する場合等特別な管理を必要とする場合
(イ) 重大な視力障害にいたる可能性が著しく高い、進行性眼底出血(発症後2週間に限る。)
(ロ) 重篤な急性出血性合併症(頭蓋内出血、消化管出血、外傷性出血等)(発症後2週間に限る。)
(ハ) ヘパリン起因性血小板減少症
(ニ) 播種性血管内凝固症候群
(ホ) 敗血症
(ヘ) 急性膵炎
(ト) 重篤な急性肝不全
(チ) 悪性腫瘍(注射による化学療法中のものに限る。)
(リ) 自己免疫疾患の活動性が高い状態
(ヌ) 区分番号「L002」硬膜外麻酔、「L004」脊椎麻酔若しくは「L008」マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔による手術を実施した状態(手術前日から術後2週間に限る。)

(3) (2)の場合に該当し、「2」により算定する場合にあっては、その理由を診療報酬明細書の摘要欄に記載する。

(4) 人工腎臓の時間は、シャント等から動脈血等を人工腎臓用特定保険医療材料に導き入れたときを起点として、人工腎臓用特定保険医療材料から血液を生体に返却し終えたときまでとする。したがって、人工腎臓実施前後の準備、整理等に要する時間は除かれる。

(5) 人工腎臓の時間等については、患者に対し十分な説明を行った上で、患者の病態に応じて、最も妥当なものとし、人工腎臓を行った時間(開始及び終了した時間を含む。)を診療録等に記載すること。また、治療内容の変更が必要となった場合においても、患者に十分な説明を行うこと。

(6) 妊娠中の患者以外の患者に対し、人工腎臓と区分番号「J038-2」持続緩徐式血液濾過を併せて1月に15回以上実施した場合(人工腎臓のみを15回以上実施した場合を含む。)は、15回目以降の人工腎臓又は持続緩徐式血液濾過は算定できない。ただし、薬剤料(透析液、血液凝固阻止剤、エリスロポエチン、ダルベポエチン及び生理食塩水を含む。)又は特定保険医療材料料は別に算定できる。

(7) 区分番号「C102」在宅自己腹膜灌流指導管理料を算定している患者に対して行った場合には、区分番号「J042」腹膜灌流の「1連続携行式腹膜潅流」の実施回数と併せて週1回を限度として算定できる。また、区分番号「C102-2」在宅血液透析指導管理料を算定している患者に対して行った場合には、週1回を限度として算定できる。それを超えた回数を実施した場合は、薬剤料及び特定保険医療材料料に限り算定できる。

(8) 人工腎臓における血液濾過は、人工腎臓の必要な患者のうち、血液透析によって対処ができない透析アミロイド症若しくは透析困難症の患者又は緑内障、心包炎若しくは心不全を合併する患者について、血液透析を行った上で、その後血液濾過を実施した場合に限り算定できる。この場合の人工腎臓の費用は、「2」により算定する。

(9) 人工腎臓における血液透析濾過は、人工腎臓の必要な患者のうち、血液透析によって対処ができない透析アミロイド症又は透析困難症の患者について実施した場合に限り算定できる。この場合の人工腎臓の費用は「2」により算定する。

(10) 「注1」の加算については、人工腎臓を緊急のため午後5時以降に開始したため又は緊急のため休日に行ったため、「通則5」による時間外加算等が算定できる場合にあっては、併せて算定できない。

(11) 「注1」の加算を算定する場合は、区分番号「A000」初診料の注6及び区分番号「A001」再診料の注5に掲げる夜間・早朝等加算は算定しない。

(12) 休日加算の対象となる休日とは、初診料における休日加算の対象となる休日と同じ取扱いである。ただし、日曜日である休日(日曜日である12月29日から1月3日までの日を除く。)は、休日加算の対象としない。

(13) 休日の午後5時以降に開始した場合又は午後9時以降に終了した場合にあっては、「注1」の加算を1回のみ算定できる。

(14) 療養の一環として行われた食事以外の食事が提供された場合には、患者から実費を徴収することができるものであること。

(15) 「注2」の加算については、「人工腎臓における導入期」とは継続して血液透析を実施する必要があると判断された場合の血液透析の開始日より1月間をいい、これに該当する場合、1日につき300点を1月間に限り算定する。

(16) 「注3」の加算については、次に掲げる状態の患者であって著しく人工腎臓が困難なものについて算定する。
ア障害者基本法にいう障害者(腎不全以外には身体障害者手帳を交付される程度の障害を有さない者であって、腎不全により身体障害者手帳を交付されているものを除く。)
イ精神保健福祉法の規定によって医療を受ける者
ウ「特定疾患治療研究事業について」(昭和48年4月17日衛発第242号)の別紙の第3に掲げる疾患に罹患している者として都道府県知事から医療受給者証の発行を受けている患者であって介護を要するもの
エ透析中に頻回の検査、処置を必要とするインスリン注射を行っている糖尿病の患者
オ運動麻痺を伴う脳血管疾患患者
カ認知症患者
キ常時低血圧症(収縮期血圧が90mmHg以下)の者
ク透析アミロイド症で手根管症候群や運動機能障害を呈する者
ケ出血性消化器病変を有する者
コ骨折を伴う二次性副甲状腺機能亢進症の患者
サ重症感染症に合併しているために入院中の患者
シ末期癌に合併しているために入院中の患者
ス入院中の患者であって腹水・胸水が貯留しているもの
セ妊婦(妊娠中期以降)
ソうっ血性心不全(NYHAⅢ度以上)
タ12歳未満の小児
チ人工呼吸を実施中の患者
ツ結核菌を排菌中の患者

(17) 人工腎臓の所定点数に含まれるものの取扱いについては、次の通りとする。
ア「1」の場合には、透析液(灌流液)、血液凝固阻止剤、生理食塩水、エリスロポエチン製剤及びダルベポエチン製剤の費用は所定点数に含まれており、別に算定できない。なお、生理食塩水には、回路の洗浄・充填、血圧低下時の補液、回収に使用されるもの等が含まれ、同様の目的で使用される電解質補液、ブドウ糖液等についても別に算定できない。
イ「1」により算定する場合においても、透析液(灌流液)、血液凝固阻止剤、生理食塩水、エリスロポエチン製剤及びダルベポエチン製剤の使用について適切に行うこと。また、慢性維持透析患者の貧血の管理に当たっては、関係学会が示している腎性貧血治療のガイドラインを踏まえ適切に行うこと。
ウ人工腎臓灌流原液の希釈水の費用は、所定点数に含まれ、別に算定できない。また、必要があって脱イオン(純水製造装置による)を行わなければ使用できない場合であっても同様である。
エ人工腎臓の希釈水に対してアルミニウム、フッ素、遊離塩素及びエンドトキシン等を除去する目的で逆浸透装置、活性炭フィルター及び軟水装置を用いて水処理を行った場合の費用は所定点数に含まれ、別に算定できない。
オ人工腎臓の回路を通して行う注射料は、所定点数に含まれ、別に算定できない。

(18) 人工腎臓を夜間に開始した場合とは、午後6時以降に開始した場合をいい、終了した時間が午前0時以降であっても、1日として算定する。ただし、「2」の場合であって、夜間に人工腎臓を開始し、12時間以上継続して行った場合は、2日として算定する。

4 件のコメント:

IJI さんのコメント...

(問) 透析液水質確保加算について、関係学会の定める「透析液水質基準」とは何か。

(答) 日本透析医学会学術委員会による「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準」を指す。

IJI さんのコメント...

(問) 透析液水質確保加算について、透析機器安全管理委員会を設置することとなっているが、構成委員や開催頻度の要件はあるか。

(答) 関係学会の定める基準を参考にすること。

IJI さんのコメント...

(問) 「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成22年3月29日付事務連絡)の問145では、「関係学会の定める基準を参考にすること。」とされているが、日本透析医学会の「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準」のみではサンプリング方法等が規定されていないが、何か参考となるもの
はないか。

(答) 日本臨床工学技士会の定める「透析液清浄化ガイドライン」Ver1.06を参考にすること。

IJI さんのコメント...

(問) 日本臨床工学技士会の定める「透析液清浄化ガイドライン」Ver1.06には、原水や透析用水の検査等、透析医学会の「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準」にない基準が示されているが、その他の基準も遵守することが加算の要件か。

(答) 今回改定においては、日本透析医学会の「透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準」が基本であり、各種基準値についても当該基準に則った適切な水質管理を行うこと。日本臨床工学技士会の「透析液清浄化ガイドライン」
Ver1.06はさらなる水質管理の実地にあたり、参考としていただきたい。